街は異形の者共に占領された。彼らは人間を見つけると容赦なく襲いかかる。僕達はなす術も無く家に閉じこもっているしかなかった。
僕達のメンバーは男二人女二人でもう何日も外に出ていなかった。僕と恋人とその母親。もう一人の男とは面識がなかったが、彼は異形の者の情報をたくさん持っていた。彼によると異形の者は雷を嫌うのだそうだ。
「つまりね」と彼が言った。「どんな小さなものでもいいという事だ。電子ライターの火花でもね」
ある土砂降りの日、彼は外に出ると言い出した。
「チャンスなんだ。外を見ろよ。上手い具合に雷はゴロゴロいっているし、どうしても残してきた仲間の事が気になるんだ」そう言って彼は家を出て行った。
雨と雷は深夜まで続いた。残された僕達は家の中でじっとしている他は相変わらずなす術がなかった。
玄関のチャイムが鳴った。僕は男の名前を呼んだ。
「ああ、俺だ。開けてくれ」と男の声が答えた。僕は鍵を開けた。ずぶぬれの男が細く開いたドアからするりと入ってきた。ドアを閉めようとしたその時、表からすごい力でドアを開けようとする異形の者の姿があった。男はつけられていたのだ。
「ライターを!早く!」と僕が叫ぶよりも早く、恋人とその母親がドアにしがみついた。男が二度三度とライターを点けたが、ドアの外にいる異形の者の目に入らないのかさっぱり効果がなかった。もうダメだと思ったその時、僕の手のひらから青白い光が飛び出して、ドアと、ドアの向こうの異形の者を吹き飛ばした。
そうして僕は街に出た。雷を操る事の出来る僕にもう怖いものはなかった。
という夢を見た。