僕の家にYが訪ねてきた。彼と一緒に飯を食っていると窓の外で猫の鳴き声が聞こえてきた。窓を開けて下を見る。僕の家は十何階らしく、下にいる猫達はずいぶんと小さく見える。でも鳴いていたのは彼らではなく、僕の目の前三メートル程の所に張られた電線につかまっている猫であった。その猫は三メートル離れた僕の所へ飛び移ろうとしているのだという事がその真剣な眼差しから伺い知る事が出来た。僕は窓枠につかまり、身を乗り出した。そして猫は僕が差し伸べたてに向かってジャンプしたが、今一歩足りず、僕の人差し指を引っ掻いて真っ逆さまに落ちてしまった。しかし、猫はよろよろと立ち上がると左手にそびえる鉄柱にだいぶ苦労して登り、また電線を伝って僕の目の前まで来た。その目は本当に真剣そのものだった。僕は全身に力を入れ、出来る限り身を乗り出した。そして猫の目を見つめ心の中で「さぁ、来い」と言った。そして猫は再びジャンプして今度はしっかりと僕の腕に着地した。僕はすごく嬉しかった。これから始まるであろう、猫との生活を考えるととても幸せであった。
という夢を見た。