中国の学校に入学する事になった。
どうしてだか判らないけれど、僕が日本人である事は伏せられていた。
授業は当然中国語オンリーだった。僕は中国語でノートを取り、中国語で受け答えをした。
ある日、ノートの端に何気なく書いた日本語をクラスメートが見つけた。
「こいつ日本語を書いてるよ?」と彼が言った。
数人の中国人のクラスメートに問いつめられた。
なぜ、お前は日本語が書けるのか?と。
「何か問題あるかい?」と僕は突っぱねた。
内心僕は焦っていてそれしか言えなかった。
それでも彼らはそれ以上追求しなかった。
ノートの前のページを見られなくてよかったと思った。
前のページにはびっしりと日本語が書いてあるのだった。
しばらくしてから僕の後ろの席の女の子が僕の机にやってきた。
「ねえ」と彼女は言った。「今何時かしら?」
「13日」と僕は中国語で言った。
「13時」と彼女は訂正した。彼女はしゃがんで僕の机に肘をついて僕の目を見つめた。
「私ね、判ってるのよ」と彼女は日本語で小さな声で言った。
僕は彼女の瞳の奥を探りながら黙っていた。
という夢を見た。